高垣楓「あなたがいない」
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90: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/20(日) 22:08:32.05 ID:LTP9DQ6S0

 目が覚める。正しく、朝になっていた。
 本当に睡眠薬の効果は絶大で、私は朝まできちんと眠れたようだ。カーテン越しの朝日を感じつつ、私はベッドから起き上がる。
 ……よいしょ。
 体がものすごくだるい。
 力が入らないというほどではないけれど、全身筋肉痛みたいなカチコチ感を覚えた。
 もっとも昨日、クリニックでいろいろあったこともあるし、本当に筋肉痛なのかもしれない。だるさを解消しようとシャワーを浴びることにした。
 ストレッチを念入りに行い、シリアルと野菜ジュースで軽い朝食を摂る頃には、体のだるさが抜けてきていた。
 この感じ……私はとても驚いた。
 なるほど、薬でバランスを整えるというのは、アリかもしれない。そう思わせるものだった。これなら。
 事務所に電話を入れる。ちひろさんは相変わらず早くから出社していた。

『おはようございます、CGプロでございます』
「あ、ちひろさんおはようございます。楓です」
『ああ、楓さん。おはようございます。お加減、どうですか?』
「ええ……睡眠薬、とてもよく効くんですね。びっくりしました」
『あはは。そうですねー。私も最初飲んだ時はばたっと倒れるくらい効いたので、びっくりしますよね』
「おかげさまで、昨日はきちんと眠れました。本当にちひろさんにはお世話になってばかりで、ごめんなさい」
『いえいえ、いいんですよ。楓さんがよくなるように、これからもサポートしますね』
「ところで、今日。レッスンを受けたいと思うんですけど」
『……あー』

 ちひろさんは少し言いにくそうな反応を返した。




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