高垣楓「あなたがいない」
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35: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:14:18.80 ID:Od9IjqsH0

 手帳を、開く。
 Pさんが残してくれた、私のスケジュール。それは半年先まで埋まっていた。
 もちろん、これから詳細を調整する必要があるものばかりだけれど、私たちアイドルのスケジュールをこれだけ埋めておけるというのは、やはりPさんの力量が並外れていることの証左と思う。
 カレンダーの後ろ、メモのところにはびっしりといろいろなアイディアや備忘録、彼の考え方や私のことなどで埋め尽くされていた。
 彼のすべてとは言わないけれど、手帳には想いが詰まっていた。

 シンデレラガールを射止めたあとも、トップアイドルとして私があり続けられるようにと、いつもいつも考えてくれていた。
 書かれている文字ひとつひとつを惜しむように、私はなぞっていく。
 本当に、私は大事にされている。私は……Pさんに報いたい。
 そう、決心した。




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