高垣楓「あなたがいない」
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146: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:43:22.30 ID:CC20O+KU0

 再びタクシーで、まっすぐマンションへ帰る。今日もちひろさんが付いてきてくれた。

「今日も私、お邪魔していいですか?」

 ちひろさんが私に尋ねる。

「それはいいですけど……ご実家は?」
「それはもう、連絡してあります」
「そう、ですか。じゃあよろしければ」
「はい。お邪魔しますね」

 マンションに着き、私はちひろさんとまた、いただいた薬について確認していた。
 ミルナシプランはオランザピンという薬に変わっていた。そしていつものニトラゼパムと頓服のエチゾラム。
 薬の説明を見ると『気分を整える薬です』と書いてある。

「あの……ちひろさん」
「はい?」

 私は、ちひろさんに訊いてみた。

「私のことについて、ちひろさんはなにか説明されました?」
「はい。説明を受けました」

 私に質問に、ちひろさんはまっすぐ私を見て、そう答えた。




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