113: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 22:57:55.41 ID:brMXuKjJ0
「楓ちゃん。今度のライブが終わったら、しばらく仕事から離れなさい」
「え? なにを瑞樹さん突然」
「ダメよ。このまま楓ちゃんが走り続けたら、あなた絶対壊れる」
そう告げる瑞樹さんの目は、真剣すら突破して、鬼気迫るものがあった。だけど。
私はそう告げられてもなお、彼女に挙げる言葉を持ち合わせていない。それでもどうにか、思う言葉を絞り出すのだ。
「……無理です。私は、まだ走り続けないと」
「なぜ? 誰のために?」
「……」
「ファンのため? ううん、違うわね」
きっと瑞樹さんは、気付いている。
「P君の、ため」
そして瑞樹さんは、答えにたどり着く。私は言葉を失った。
「そういうこと、でしょう?」
216Res/171.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20