高垣楓「あなたがいない」
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104: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 22:51:41.96 ID:brMXuKjJ0

 私がこうして意見を述べることは、そう多くない。Pさんがいた頃はそれこそ、Pさんにお任せして問題ないとさえ思っていた。
 今回もそのスタンスには違いないはずだったのだけれど、周りのスタッフが気を遣ってくれているためか、私に意見を求める機会がわりとある。
 あらかたの編成は決まったところで、次の議題に移る。ライブの日程は半年前に押さえてあるので、当日までの営業の確認だった。
 予定されている営業活動は、滞りなく進んでいる。私の体調のことがあって心配ではあったけれど、営業メンバーの努力でなんとかしのいでいたらしい。
 本当に申し訳ない。背中に受ける日の温かさを受けながら、私は無言でみんなに詫びる。

「……さん……楓さん」

 我に返ると、プロデューサーが私を起こしにかかっていた。

「あ……はい」
「楓さん、今日はお疲れだったみたいですね。ミーティングは滞りなく進みましたよ。さ、今日は上がりにしましょう」
「……また私、寝てしまってました?」
「ええ。まあ」

 私の質問に、プロデューサーは顔を掻く。
 ああ、またやってしまった。私は恥ずかしくなった。

 このところ、こうした打ち合わせ中に眠ってしまうことがある。
 もちろんインタビューのような仕事の最中に眠ってしまうという失態は、まだ見せていない。ただ、自分が意識しないうちに眠ってしまうのは、かなり問題ではある。
 今度クリニックに行ったら、先生に相談してみようか。




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