3: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:31:30.03 ID:L32KXTsp0
「少年、コンクールで優勝したって?」
少年「あ、うん」
「すごいじゃん! 良かったね」
4: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:33:42.13 ID:L32KXTsp0
少年(最近、よく眠れない)
少年(このままではいけないと言う不安で頭が一杯になる)
少年(考えてはいけないのに、より一層強く考えてしまう)
5: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:37:19.57 ID:L32KXTsp0
少年(……眠れない)
少年(不安だけじゃない、心のどこかがさわさわとしている)
少年(原因は分かっている)
6: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:40:53.99 ID:L32KXTsp0
少年(いつものスニーカー、いつものシャツ。ズボンに飴玉をいくつか入れる)
少年(着替えはあっという間に済んだ。それ以外は何も要らない)
少年(どきどきする。こんな時間に外に出るなんて初めてだ)
7: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:42:05.40 ID:L32KXTsp0
少年「ああ……」
少年(外に出た瞬間、夜風がふわりと僕を包み込んだ)
少年(重苦しい部屋の中とは、全然違う)
8: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:46:55.25 ID:L32KXTsp0
リリリリリ……リリリリリ……
少年(僕は歩く。こんなにも足が軽いのは初めてだ)
少年(コオロギの澄んだ鳴き声が夜に染み渡る)
9: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:50:16.00 ID:L32KXTsp0
少年(ポケットに入れておいた飴玉を一つ、口に含む)
少年(舌の上に甘さが広がる。こんなにも飴玉に意識を向けた事は初めてだ)
少年(甘い幸福感が心地良い。飴玉ってこんなに美味しかったっけ?)
10: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:54:52.40 ID:L32KXTsp0
少年(僕はどこかの公園のブランコに座る)
少年(こんな時間に遊んでいる人なんて居ないだろうな)
ギー、ギー
11: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 20:56:57.71 ID:L32KXTsp0
少年(僕の近くで、落ち着いた声が放たれる)
少年(僕は焦って辺りを見回す、けれど)
少年「え……居ない……?」
12: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/09/13(日) 21:03:14.48 ID:L32KXTsp0
少年(シーラカンス。生きた化石。恐竜の居た時代から生きている)
少年(絶滅したと考えられていた魚……だっけ。魚の図鑑で読んだ)
少年「う、浮いてる……」
13:名無しNIPPER[sage]
2020/09/14(月) 09:40:36.33 ID:kKnHwTbyO
きたい
24Res/16.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20