15: ◆X0TyCi.5oo[saga]
2020/09/10(木) 04:16:31.08 ID:AgSNqDxh0
桃子を初等部まで送り届けたあと、俺は例の女の子のことが気になった。
どうせ遅刻だ。学校をサボってもいいだろう。
たしかこっちの方向に飛んでいったような。
なんとなく勘でそちらを進むと公園があった。
平日の午前中なのにベンチで休んでる女の子がいる。
気になって声をかけた。
P「こんなところで何やってるんだ? 育坊」
育「え?あっPさん! えっと休んでただけだよ」
P「平日の午前中に?」
育「それは……ごめんなさい」
P「いや別に謝られたいわけじゃない」
育坊をちらと観察する。
P「スカートに砂がついてるな」
育「え、ほんとだ。ありがとう」
育坊は立ち上がって砂を払った。
P「問題はなぜスカートに砂がつくかだ」
育「えっと、実は転んじゃったんだよ」
P「だったら花こう土系の土がつくか、アスファルトで擦ったような跡がつくはず」
育「……実は砂場で遊んでたの」
P「そう公園で砂があるような場所といえば砂場しかない。で今度は砂場を見てみようか」
育「……うん」
P「砂場で遊ぶといえば山をつくるとか。でも砂は山どころかえぐれている。むしろどこからか砂場に突っ込んだような跡だ」
育「……」
P「なあ育坊キミは砂場にベッドスライディングをして遊んでたのか? それにこの砂のえぐれ方、角度がついてるな。まるで空を飛んでてここに突っ込んだような」。
育の背筋がピンと伸びた。
育「あっそれはね。えっと」
育坊は人に見抜かれるのは得意じゃないらしい。子どもらしく焦っているようにみえた。
P「あとね。ネタばらしするけど、実際に見たんだ。空を飛ぶとこ」
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