羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/09/08(火) 23:26:25.25 ID:lUuaoiGOO
「ぐっ……くそっ……忍野のやつ……!」
「ああ、従僕……我が従僕よ。大丈夫じゃ。心臓を抜かれたくらいで吸血鬼は死なん。儂とて、そうじゃ。ああ、ようやく気づいた。どうやら儂も、あの小僧に心臓を抜かれとったらしい」
喘ぐ阿良々木くんを膝に乗せ、ハートアンダーブレードさんは悔しそうに備忘を歪ませて自らの不覚を告げた。彼女もまた、心臓を抜かれていたのだ。
「ハートアンダーブレードさんまで……」
「今の今まで気づかんかったが、従僕と苦しみを共有して思い出した。心臓を失う切なさを」
長く吸血鬼をやってきたハートアンダーブレードさんはきっと、生の実感が薄くなっているのだろう。
従僕である阿良々木くんを通してその苦しみが伝わり、思い出したらしい。何はともあれ。
「私が必ず、2人の心臓を取り戻すから」
「よ、よせ、羽川……!」
「このたわけ者が! 彼我の力量差がまだ身に染みておらんのか? あの小僧は臨戦態勢の従僕の心臓を真正面から抜いて見せ、返す刀でうぬを切り捨て、そしてどのような手品を使ったのかは知らんが、この儂に悟らせることなく心臓を盗んだ正真正銘の化け物じゃぞ? 成りたての吸血鬼に敵う相手ではないわ!」
そんなことは言われなくてもわかっている。
これは気持ちの問題だ。私の決意である。
今すぐには不可能だとしても、いつか、必ず。
「教えてください」
「む? なんじゃ、いきなり」
「私に吸血鬼の戦い方を教えてください!」
師事を乞うと、ハートアンダーブレードさんは冷たい金眼で私を見下ろして、現実を突きつけてきた。
「付け焼き刃であの小僧に挑み、無残にも敗れ、うぬが消滅すれば、それこそあの小僧の思う壺で、儂はこの先未来永劫、従僕から恨まれることになるじゃろう。それが奴の狙いじゃ」
「だったら負けない方法を伝授してください」
「戦に必勝法などは存在せん。いつの世もな」
大切な従僕との絆をむざむざ立ち切らせてなるものかと言わんばかりに、ハートアンダーブレードさんは阿良々木くんを大きな胸に掻き抱き、リスクを負うことを拒否した。私は信用されていない。
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