羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」
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18:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 23:19:25.52 ID:lUuaoiGOO
「おい、忍野。そんな言い方はないだろう」
「いや、あるね。僕はこの元・委員長ちゃんのような『害悪』は、もともと大嫌いなんだよ」
「害悪って……羽川をそんな風に言うなよ!」
「はっはー! 怒るのは筋違いだぜ? 君だって持て余していたじゃないか、この害悪をさ。この子はきっと吸血鬼になって悪に染まらずとも人間のまま持ち前の正しさを振りかざし、最低限の必要悪すら認めず調和を崩して、結果的に世界に仇なす敵になっていたと、僕はそう確信しているよ」
「黙れよ、忍野っ!」
「よせっ、従僕っ!」

ハートアンダーブレードさんの静止虚しく、吸血鬼の身体能力で飛びかかる阿良々木くん。
忍野さんは奇妙な足運びでそれを躱して、すれ違い様に私の主人の心臓を、『抜いた』。

「たしかに、頂いたよ、阿良々木くん」
「忍野……最初からこれが目的で……?」
「これは保険さ。いや、担保と言うべきか。僕はね、阿良々木くん。首輪も付けずに放し飼いするほど、君たち吸血鬼に甘くはないんだよ」

抜かれても尚、脈打つ心臓。
その美しさに思わず見惚れて。
真っ赤に染まった視界で、怒りに気づく。

「私の主人の心臓を……返してっ!」
「馬鹿が。返すわけないだろう。その薄汚い手を僕に向けないでくれるかな、害悪ちゃん」
「ッ!?」

ただの手刀で袈裟斬りにされる。死を、視た。

「がふっ……は、羽川ぁ!?」
「チッ……手間のかかる従僕の従僕じゃ!」

血を吐き出しながら悲鳴をあげる主人と、倒れ伏した私にハートアンダーブレードさんが自分の血をふりかけるのは、ほぼ同時。その間に忍野さんは。

「じゃあね、阿良々木くん。これに懲りたら世直しなんて馬鹿げた寝言はちゃんと棺桶の中でぼざきなよ? この心臓は僕が預かっておく」

そうして忍野さんは去り、手負いの私と血を流したハートアンダーブレードさん、そして心臓を抜かれて王としての力を失った阿良々木くんが残った。


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