アイドルと僕
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13:名無しNIPPER[saga]
2020/09/14(月) 00:07:19.74 ID:RNy0wtmvO
自宅に帰ってツイッターで言われた通りに検索すると、彼女の言った名前でアイコンが出てきた。

フォローするボタンをタップして、ツイートを確認する。

ライブの報告や日常のこと、とりとめもなく色々なことを呟いていた。

『今日、お声かけしてもらった者です。またイベントいきますね! ありがとうございました』

無難な言葉を選んでリプを送った。そのままベッドにスマホを置くと、日課のランニングに出た。

小学生の頃、スタミナがないからと監督には練習後に走ることを求められた。気づけば10年が経ち、生まれた町を離れ、サッカーを辞めた今でもその日課はやめられなかった。

イヤホンから流れるのはあまり売れることのないまま解散したインディーズバンドの歌だ。動画サイトでたまたま聞いた一曲に心酔して、中古のアルバムを買い漁っては聞いている。

いつもは5キロでやめてしまうが、なんだか今日は気分がいい。距離を伸ばしてみようと、いつもより橋一本分、長めに走った。

大学入学と合わせてこの街に来て、もう二年が経つ。橋一本の距離で住宅街から都会に変わっていくことは今気がついた。

遠いところに来てしまったなぁ。

そんなノスタルジックな気持ちになってしまう程、その光は強かった。


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