アイドルと僕
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11:名無しNIPPER[saga]
2020/09/06(日) 22:12:07.95 ID:m7NO/Da6O
「タツヤさん……くん? タツヤくん!」

名前を呼んでどや顔をされた。反応に困りつつも照れてしまって、視線をそらしてしまう。

「めうー、行くよー」

他のメンバーがファンとの交流を終えたのか、帰るように声をかけられた。彼女はそちらに手を挙げて、最後にこちらに問いかけた。

「ねえ、ツイッターとかやってる?」

唐突に聞かれて、頷いて返す。

「私のアカウント、『めう@アスタ』で検索したら出てくるから! フォロー待ってるね!」

そう言うと、右手を差し出された。きょとんと呆けて見返すと、「握手しよ」と首を傾げられて慌てて手を差し出した。

見た目通り、細くて白い指先が俺の右手をつかんで、両手で上下に振られた。緊張で火照ったせいか、彼女の手は少し冷たく感じられた。

「またね! ありがとね!」

ニコニコ笑顔で手を振って、彼女は背中を向ける。その背中を見送りながら、体中に熱がたまるのを感じた。


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