【ミリマス】 高山紗代子「あなたと一歩、近づける時間」
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5:名無しNIPPER[saga]
2020/08/23(日) 11:43:12.09 ID:ZPwxV11E0

「なぁ紗代子、覚えてるか?」

 俺は紗代子の手をとった。震える指をきゅっと握りしめた。

「アイドルのステージで一番大事なことって何だと思う?」
「えっと……応援してくれる皆さんに笑顔になってもらうこと、です」
「うん、それさえ忘れなきゃ大丈夫さ。どんな大舞台だって、結局やることは変わらないんだよ、きっとさ」

必勝の策や適切なアドバイスも授けてやれないし、緊張も不安も止めてはやれないかもしれない。けど側にいて、いっしょに震えることならできるから。

「……そうですよね。特別なことなんて、きっと何もいらないんですよね」
「その通り!さぁ、“いつも”みたいにお前の全部を出しきってこい!」
「はいっ!──プロデューサー、いってきます!」

 ゴーサインをうけて彼女は飛び出していく。何千何百というサイリウムがきらめく、あの大きなステージへと──彼女自身の“約束”を果たすために。

 そして俺はいつも、それを見送ることしかできないんだ。




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