提督「観光するか」 金剛・瑞鶴・響「はいっ!」 空母棲姫「…………」
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86:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A[saga]
2020/09/04(金) 00:36:49.83 ID:v8rV7b/E0
提督「……鍵が錆びていなくて家に入れたは良いが、流石に埃っぽいな」

空母棲姫「確かに埃っぽいわね……。ご家族の方は?」

提督「居ない。母は行方不明になり、父は戦死した。つまり、五年間ずっと人の手が加わっていない」

空母棲姫「……ごめんなさい」

提督「構わん。よくある話だ。それよりも窓を開けてくる。先にこの部屋の埃だけ払ってしまおう」

空母棲姫「分かったわ。掃除道具ってどこにあるかしら」

提督「どこにあったか……。物置にあるかもしれんな」

空母棲姫「場所はどこかしら」

提督「廊下の突き当りにある」

空母棲姫「分かったわ。取ってきます」

提督「頼んだ。……さてと、この窓は開いてくれるか?」

ガタッ──ギ……ギィギギギィ……!

提督「……流石にガタついてしまっているか。五年前はすんなり開いてくれたのだがな」

提督(ああ、それにしても懐かしい……。昔はこの部屋の縁側に腰掛け、ラムネを飲んでいたっけか……)

ギ……

提督(……雨風に曝されていたはずなのに、未だ普通に立てる。頑丈に造ってくれていたようだ)

提督(夏に振る雨の後、ここからは虹が見えていたな……。向こうに行ってから虹なんて意識していなかったが、ここへ来てすぐにそれを思い浮かべるとは……。本当、何もかもが懐かしい……)

空母棲姫「持ってきました。……そんな所に立って、何かあったのですか?」

提督「む。いやすまん。思い出に耽っていた」

空母棲姫「……ご家族の事?」

提督「なぜか家族の事は思い浮かばなかったな。思い出していたのは虹だ」

空母棲姫「虹?」


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