提督「観光するか」 金剛・瑞鶴・響「はいっ!」 空母棲姫「…………」
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87:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A[saga]
2020/09/04(金) 01:02:06.65 ID:v8rV7b/E0
提督「ああ。子供の頃はこの縁側に座ってラムネを飲みながら虹を見ていたんだ」

空母棲姫「ここから虹が見えていたのね」

提督「綺麗だったよ。子供心ながらにボーッと見てしまう程にはな」

空母棲姫「今でも見られるのかしら?」

提督「たぶん見られるとは思う。だが夏の今、雨が降ってくれるとは限らないからどうだろうな」

空母棲姫「あまり雨が降らない地域なの?」

提督「台風の時以外は夏場だと気付いたら降る程度だったと思う。ただ、雲自体は多いか? そんな感じだ」

空母棲姫「雨はあまりなのに、雲が多いなんて不思議ね……。今も月が半分雲に隠れています」

提督「……言われてみれば確かにそうだな。なんとも不思議な町だ」

空母棲姫「私は埃を掃除しておくから、もう少し夜空を眺めていますか?」

提督「私も掃除をして布団を敷こう。長時間の移動でダラけてしまいそうだが、さっさと終わらせてから寝てしまった方が良い」スッ

空母棲姫「分かりました」

提督「私の方が身長があるから、ハタキで埃を落としていこう」

空母棲姫「では、私は床を掃いていきます」

提督「……布団も無事だろうか」

空母棲姫「怖い事を言うのね……。ダメだった時はそのまま床で寝てしまいましょう」

提督「そうしよう。夏だから風邪は引かないだろう」パシパシ

空母棲姫「……………………」

提督「む?」パシパシ

空母棲姫「……ごめんなさい。なんだか懐かしい匂いだと思ってしまって」サッサッ

提督「……埃がか?」

空母棲姫「違います。……埃の匂いに混じって、この土壁や畳の匂いが香ってきたわ。初めて嗅ぐはずなのに、どこか懐かしく思ったの」

提督「お前もなかなか不思議な子だよ」

空母棲姫「そうかしら。もしかしたら私が深海棲艦になる前はそんな部屋で過ごしていたのかもしれないわよ」

提督「……深海棲艦は艦娘が沈んだ姿、という説か」

空母棲姫「ええ。たぶんそれは本当よ。ノイズが酷いけれど、なんとなく思い出せそうな事もありますから」

提督「……本当、私たち海軍は何の為に戦っているんだろうな」

空母棲姫「世界の平和を守る為、で良いでしょう? こんな夜中に難しい事なんて考えなくても良いわ」

提督「そうだな……。さっさと掃除をして、そして寝てしまおう」

空母棲姫「はい」

提督(……世界の平和を守る為、か。金剛達は今、何をしているのだろうか。世界の平和どころか、自分達の平和すら守れなかった私達は、今……何をしているのだろうな……)

……………………
…………
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