中野攻「墓碑のような夜のビルの前に花束が」 【亜人SS】
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16: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:20:34.10 ID:FGITa5EtO

 おれは花束を持ったまま走り出していた。人が行き交う通路に出て、首を左右に振って周りを見渡したけど、おれとは無縁そうな会社帰りのサラリーマンしか見えない。

 あの花束は昼に見たときには絶対になかった。フェンスのすぐ近くまでには行かなかったけど、おれは視力が両方とも二・〇だから、もし昼に花束があったら見落とすはずない。

以下略 AAS



17: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:21:19.97 ID:FGITa5EtO

 五分くらいずっとそうしていた。粒子を出しながら、おれはその場で夜空を見上げ、あちこちに眼を向けた。そうしているうちに、そういや真鍋さんもいるじゃん、と思い当たった。そっちの可能性もあった。ていうか、そのほうが可能性が高かった。フォージ安全があったビルの近くにはバス停があって、ずっとこうして立っているとバス停にいる人がおれのことをジロジロ見ている気がする。

 落ち着かない気分になってきた。内心焦りだすと、だんだん永井はそんなことするようなやつじゃないような気持ちがどんどん強くなってきた。あいつ、誰が死んでも知ったこっちゃないとか言ってな、とおれは思った。

以下略 AAS



18: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:21:52.38 ID:FGITa5EtO


 そして、黒い粒子を見た。




19: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:22:35.34 ID:FGITa5EtO

 黒い粒子の狼煙はビルの屋上から昇っているように見えたけれど、よく眼を凝らすとビルを挟んだ反対側から昇っていた。たぶん角度とか距離感とかそういうのが違うんだろう。夜の空に昇っていく粒子は黒いのに、はっきりと見えた。おれが黒い粒子を頼って永井に会いに行ったときと同じにはっきりしていた。

 おれは少しの間ボーッとしていて、はっと気づいたときおれも黒い粒子を上げた。

以下略 AAS



20: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:23:35.73 ID:FGITa5EtO


  おれは立ち上がり、バス停に向かって歩いていった。家に帰り、風呂に入った。風呂に入る前にクーラーを入れておけばよかったと後悔しながら窓を開けた。冷房が効いてきた。おれは窓を閉め、明日のためにぐっすり眠ろうとベッドに入った。


以下略 AAS



21: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:26:56.42 ID:FGITa5EtO

新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483369191/の続きの書き溜めが消えてしまって半年くらい意気消沈してましたが、リハビリがてら一気にこの話を書きました。続きの方は書き途中です。目処がついたら新しくスレを立てますので、気がむいたら読んでいただけると幸いです。


22:名無しNIPPER[sage]
2020/08/17(月) 17:29:15.03 ID:VKB2Oier0
おつ
デレマスクロス再開待ってる


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