中野攻「墓碑のような夜のビルの前に花束が」 【亜人SS】
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10: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:15:31.40 ID:FGITa5EtO


『おれとしては国民の大多数が関心を持つような主張をしているほうが現実味があって応援する気になるよ』

「だったら、そこに投票する意味ねえなー」

『まあでも、まったく無意味かって言われるとな』

「どういうこと?」

『今回の選挙で議席が取れなくても、次の次くらいには取れるかもしれない。もしかしたら五十年後には亜人の権利が真面目に議論されるかもしれない。百年後には亜人の権利が認められるかもしれない。その可能性が持続するには、今回の投票が必要なのかもしれない』

「よくわかんねえよ」


 おれの悲鳴まじりの返答に秋山さんはクスッと笑った。


『よく考えろよ。よく考えて結論を出したんなら、どこに投票してもいいんだよ。おまえの権利なんだから』


 おれは秋山さんに言われたことを考えてみた。かもしれないと何度も言っていたこと、いまだけでなくて未来にも関係しているかもしれないこと、おれたちだけではない誰かのためになるかもしれないことを考えてみた。


「やっぱよくわかんねえや」

『そんなもんだ。わかんねえまま、生きてくんだから』




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