【艦これ】漣と故郷に行くだけの話
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1: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:33:22.85 ID:NLnJB+H60
 駅を降りてレンタカーを借りた。三十分ほど走らせれば街並みは次第に郊外の風景へと変わり、やがて古い軒が目立つとともに田畑が混じる。細い畦が目立つ中を一本貫く国道は、ガードレールもところどころにしかない片道一車線。それは連峰の鮮やかな緑へと向かっている。
 水田の稲が青々と視界の端に過る。そう言えば街中でコイン精米機をいくつも見たな、と俺は今更ながらに思った。

「お米が名産、っていうには新潟とか北海道に差をつけられちゃった感じはしますけど、昔はもっと、いまよりも盛んだったみたいです。ただ、街のほうに品種改良センターがあるのと、農業機械のメーカーの工場も少し遠くにあって」

 漣は水田の、青々と伸びる盛稲を見ながら言う。

「今から入るのは赤根山っていうんですけど、この辺り一帯は味ヶ淵連峰って大きなくくりの中にあって、こう……山がそのまま海になる、って言ったらわかりますかね? 平野部が少ないんです。
 山があって、木があって、崖があって、んで、海がずどーん! って」



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