高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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◆jsQIWWnULI
2020/08/30(日) 19:07:24.56 ID:s2H4XrND0
「まゆ!」
マルコポーロ国際空港広場前で、そんな男性の声が聞こえた。
「……プロデューサーさん……?」
私は船着き場に黙ってゴンドラを寄せる。しばらくして、先ほどまゆさんの名前を叫んでいた男性が駆け寄ってきた。
「……まゆさん、お手をどうぞ」
「……はい」
まゆさんは私の手を取り、ゴンドラから降りた。
「まゆ……」
この人がまゆさんの言っていたプロデューサーさんであろう。少し困ったような顔をしながら、まゆさんの目の前に立つ。
「プロデューサーさん」
「……うん」
「まゆ、決めました」
「……そうか」
プロデューサーさんは、少し悲しそうな顔をする。そんな表情を見て、まゆさんは「うふふ」と笑った。
「……まゆ?」
「そんな顔しないでください、プロデューサーさん。まゆ、アイドル辞めませんから」
「え」
プロデューサーさんの顔が困惑の表情へと変わる。
「アイドルは辞めません。プロデューサーさんが、まゆにまだ見せていない景色を観るために。でも、プロデューサーさんとお付き合いすることもあきらめません」
「ええ!?」
さらに驚きの表情になるプロデューサーさん。
「だって、まゆですから。アナタが見つけた、アナタが好きな、アナタが好きな、アイドル・佐久間まゆですから」
そう言って、まゆさんはプロデューサーさんに抱き着いた。
「あ、ちょ、ま、まゆ!?」
「うふふ♪」
まゆさん今日見た中で、一番の笑顔を見せた。
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