高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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57: ◆jsQIWWnULI
2020/08/30(日) 19:08:55.71 ID:s2H4XrND0
しばらくして、プロデューサーさんから離れると、私の方に来た。そしてまゆさんが口を開く。

「藍子さん、ありがとうございました」

そして、深々とお辞儀してくる。

「い、いいえ、そんな!私なんて、なんて差し出がましいことを言ってしまったんだろうって……」

「そんなことないですよ、藍子さん。藍子さんのおかげで、私は私を見つけられたから」

まゆさんはそう言ってほほ笑むと、プロデューサーさんに何かを言った後、私に紙を渡してきた。

「これ、明後日の公演のチケットです。時間があったらぜひ見に来てください。私のアイドルの姿を」

「い、いいんですか!?」

「もちろん」

私は恐る恐る二枚のチケットをまゆさんから受け取った。

「絶対に観に行きますね!」

「ありがとう」

まゆさんは再び微笑むと、プロデューサーさんを呼んだ。プロデューサーさんはアイさんと何かを話していた。

「…………あ、領収書って……すいません、ありがとうございます」

「いいえ、こちらこそ、うちの藍子の良い機会になりましたから……」

「プロデューサーさん?」

「あ、うん。今行く」

プロデューサーさんはそう言うと、まゆさんのそばに駆け寄る。

「藍子さん、今日は本当にありがとうございました……また、公演で」

まゆさんはそう言うと、プロデューサーさんの腕をとりながら歩いていった。

「……よかったですね、まゆさん」

私はまゆさんの後姿を見送りながら、そう言った。

「そうだね……お疲れ様、藍子ちゃん」

いつの間にゴンドラから降りていたアイさんが、私の肩をたたきながらそう言った。

「特別に今日は、私のゴンドラで帰ろう!」

アイさんはそう言うと、素早くゴンドラに乗りこみ手を差し伸べてくる。私はそんなアイさんの手を取ってゴンドラに乗った。

「その公演、何時から?」

「えっと、18時からですね」

「……なんとか行けるか?」

「本当ですか!?」

「まかせなさい!」

夕暮れの中、アイさんの流れるようなゴンドラで、私たちはARIAカンパニーへと帰っていった。


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