高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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◆jsQIWWnULI
2020/08/30(日) 18:58:44.23 ID:s2H4XrND0
そんなふうにしてのろのろとゴンドラを漕いでいると、どこからか声をかけられた。
「あのっ……」
声のした方を見ると、そこにはフードを深くかぶった女性の姿があった。
「は、はい……?」
もしかしたら私に声をかけたのではないのかもしれないけれど、一応返事をしてみる。
「急いでるんです。乗せてもらえませんか?」
「え?」
そんな言葉が続くと思っていなかったので、私は思わず聞き返してしまった。
「だから、乗せてもらえませんか?急いでるんです」
一度聞き返したところで、返事の内容は変わらなかった。
「ア、アイさん……」
私は思わずアイさんを呼んだ。
「良いんじゃない?片手袋は指導者がいればお客様をお乗せすることは可能だし。代金は半額だけどね」
「じゃあ、決まりですね。乗せてください」
「わ、わかりました」
フードを深くかぶったその女性は、ゴンドラに近づくように水路の縁までやって来た。私は慌ててゴンドラを寄せ、お客様を乗せる準備を整えた。
「では、お手をどうぞ」
私が手を差し出すと、その女性も私の手を取ってゴンドラに乗りこむ。
「早く出発していただけますか?」
「は、はい!」
お客様にせかされ、私は急いでゴンドラを漕ぎだす。すると、先ほどその女性がいた場所に、二人の女の子が走ってきた。
「はぁ、はぁ……ったく。どこに逃げたのよ!」
「この街、迷路みてーになってるから、これ以上探すのは難しそうだな」
「バカ言ってんじゃないわよ!まゆ見つけないと明後日の公演に支障が出るでしょ!それと人がしゃべってるときにフーセンガム膨らまさないの!」
「へーへー」
そういって二人の女の子は別の方向に向かって走っていった。それと同時に、お客様がフードを外す。
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