魔王と魔法使いと失われた記憶
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638: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/08(火) 21:59:49.89 ID:NFy1JhCKO
「加速(アクセラレーション)5」


ザンッ!!!ザンザンザンッ!!!


千切られた「触手」が宙に舞う。あたしたちの後方に、エリックが飛んできたのだ。そして……


ゴウッッ!!!


「なっ!!?」


激しい振動。振り向くと、エリックとアヴァロンの間に、大きな陥没ができていた。


「次は外さない」


家の陰から、プルミエールが「魔導銃」を握って現れた。……役者が揃ったね。


「……無駄な足掻きを」


アヴァロンが、少し距離を取った。それを守るかのように、エストラーダ侯が無数の触手を背中から生やして立ちはだかる。
教団兵は家の方に向かっているけど、そこはヴェルナーらテルモン兵の生き残りに任せるしかない、か。


パウッ!!!


アヴァロンに向けて放った魔弾は、エストラーダ侯の「枝の盾」に防がれた。盾は激しく砕かれたけど、すぐに元通りに修復される。これは埒が明かないね。


ダッッ!!!


エリックが短剣でエストラーダ侯に斬りつける。「それ」は剣を触手で受けつつ、後方から別の触手が彼を掴もうとした。


「させないにゃ!!!」


シェイドがそれを蹴り飛ばす。アヴァロンが、さらに距離を取ろうとしたのが見えた。


「逃げる気かいっ!!!」


奴が杖を構えた。転移?いや、違う。これは……


「光の矢(セレスティアルアロー)」


上空に、強大な魔力を感じた。……こいつはまずいっ!!!




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