606: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/11/30(月) 22:09:18.48 ID:KnL3hUx3O
「……!!そんなっっ!!?」
ガタン、とカルロスが立ち上がった。
「……ああ、そういうことかい。あんたがこいつに抱かれなかった理由は」
こいつはこいつなりに、カルロスを愛しているのだろう。だからこそ、永遠の別れに繋がる行為を避けていたわけか。
「……それもある。でも、あと2つ理由がある」
「2つ?」
「ええ。まず、私の体液は強力な薬になる。原液を直接飲めば、人外の力を得られるほどに。
そして、続けて飲み続ければ……人の姿を失い、『雌蕊』を守るための騎士となるわ」
「……まさかっ!!?」
プルミエールが顔面蒼白になった。メディアが顔を伏せる。
「……ええ。あなたたちが見た、あの男性。彼は、私の血を飲んでしまったのだと思う」
「血?」
「あのアヴァロンという司教に囚われ、私はまず指を切られたわ。そして、血を採取された。
150年前にあったことは、ユングヴィの中では語り継がれていたみたい。前の『私』の伴侶が、私の死後に怪物と化したことを含め」
ドンッ
激しい音がした。エリックが、薬湯の入った陶器を机に叩きつけたのだ。
「外道がっ……!!アヴァロンは、初めからそのつもりでエストラーダを生かしておいたわけか!!
奴は血を得るために、お前を捕らえた。違うか」
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