魔王と魔法使いと失われた記憶
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577: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/11/25(水) 23:21:38.95 ID:dbHTZ14LO

……破滅??

「どういうことですか?」

「ああ、喋り過ぎたな。……まあ、私も詳しく知らないんだがね。何せ、150年ぶりのことだから」

150年……前に、「女神の樹の巫女」が現われた時に、何かあったのだろうか。

「その時に何があったのですか」

「ああ。伝説でしかないけどね、『女神の樹の巫女』の子供が、人を食い始めたんだそうだ。
で、手に負えなくなったんで当時の大司教が封印したとか聞いてる。……ああ、この話は内密にしてくれよ。私も消されてしまうから」


……!!!


体温が一気に下がった気がした。……そういうことか。

このユリウスという男の言葉に、どれほどの真実味があるかは知らない。しかし、メディアの言葉にやっと合点が行った。


もしそれが本当なら、彼女とカルロスは……絶対に結ばれてはいけない。


しかし、もう一つの疑問は残る。ユリウスは、それについては多分答えを知らない。


それは、「なぜすぐにメディアを殺さなかったのか」という問いだ。彼女の体液から取れる薬ができるまで、待っているとでもいうのか。

今すぐ動いた方がいい、とボクの本能が告げた。できるだけ早く、メディアに会わないと。

「……ちょっと、小用を足してもいいですか」

「ん?構わないよ。戻ったら、伽としようか」

好色な目で、ユリウスがボクを見る。そっと重ねられた手を振りほどこうとする誘惑に、ボクは何とか耐えた。
もう、彼に会うことはないだろう。多分。


部屋をそっと出る。その刹那、禍々しい気配を上から感じた。……何だこれは??




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