550: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/11/18(水) 23:01:28.86 ID:lSBzGI7SO
「というわけで交渉さ。あたしらはあそこにいる人物に接触したい。統治府には関与できなくても、さっき言ったテルモンの高官からなら何とかできるだろ?」
「口利きをしろってことね。……そうね、不可能じゃない。でも、多少の面倒は伴うわね。報酬は?」
「命を救った貸しがあるだろ?まあ、それに加えて、モリブスの花街からこっちに何人か送れなくはないね。給金を弾むという条件で」
「いつからワイルダ組はそっちにも手を出しているのかしら?用心棒なら分かるけど」
「まあ、色々花街はあたしらに貸しを作ったからね。質は保証するさ」
ふむ、ともう一度カサンドラさんがお茶を飲んだ。
「……分かった。3時間後、もう一度ここに来て。これからもう一人、テルモンの第4皇子を客として取るの。彼経由で話を附けられる」
「第4皇子……随分年下だねぇ」
「ふふ、可愛い坊やは好きなの。母親の愛情に飢えた坊やは特に。……そうそう、その坊やを多分使うことになるけど、いいかしら?」
「……ボクかにゃ?」
フフフ、と妖しい笑いをカサンドラさんが浮かべた。
「ええ。ユングヴィは姦淫は禁じているけど、色事は禁じてないのよ。貴方なら、多分気に入る人がいるわ」
……そういうことか。ボクはげんなりした。
「……ここは、男娼も扱ってるのにゃ?」
「あら、子供なのによく知ってるわね。この子、何者?」
「ボクは「それは詮索しないでおくれ。まあ、信頼は置ける奴さ」」
ボクの言葉をデボラさんが遮った。……確かに、身の上を明かさない方が正解か。
ただ、ボクを男娼として送り込むというのは正直勘弁だ。ボクはデボラさんに耳打ちした。
(男の相手なんて死んでもゴメンにゃ)
ボクは確かに見た目がいい。女装だって多分似合うだろう。ただ、男に犯されるなんてまっぴらゴメンだ。
デボラさんは少し目を閉じた後、微かに笑った。
(大丈夫、考えがある。抱かれる必要なんてないから安心しな)
(本当にゃ?)
(あたしに任せな)
「相談は終わったかしら?」
デボラさんが頷いた。
「ああ。3時間後だね」
「ええ。その子も一緒にお願い」
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