48: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/10(月) 09:44:22.44 ID:fbURo3hcO
「……分かった。でも、一つ聞かせて。サンタヴィラに行って、もし真実が分かったら……その時、私はどうなるの?
……そしてあなたはどうするつもりなの」
「前者については、ちゃんと報酬付きで解放してやる。金は唸るほどあるから、全てが終わったらそれなりに不自由のない日々が送れるはずだ。
後者については……分からない。どうするのか、自分でも分からない」
「え?」
魔王は悩んでいるようだった。まるで、見た目相応の少年みたいに。
「……ただ、俺は……ベナビデス家の長として、それを知るべきだと思う。どんな残酷な真実であっても。
それを知らないと、俺は……そして魔族は、先には進めない」
「……あなた……」
魔王が苦笑した。
「これぐらいでいいだろう?夜にはホテルを出る。少し寒いかもしれないが、しばらくは下着で我慢してくれ」
そう言うと、小さな魔王は部屋を出ていった。
761Res/689.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20