魔王と魔法使いと失われた記憶
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47: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/10(月) 09:43:47.56 ID:fbURo3hcO
この少年……というよりこの男性のことを、私は全く知らない。一般的な、邪悪な魔族なのかもしれない。
ただ、嘘をついているわけでは全くなさそうだった。特に、自分が知らない真実を知りたいと願う心には曇りがない。
それぐらいは、目を見れば分かる。それに、邪気を孕んだマナは彼からは感じ取れなかった。


しかし……決断はできなかった。アリス教授に、一言相談したかったからだ。


「……少し、考えさせて」

「そんな余裕はないぞ。ここにいられるのも、せいぜい今日が限界だ。これからお前を狙う連中は増えていく。だったら、早めに逃げを打つ」

「でもっ!!教授に、一言言わないと!」

「お前が今会いに行けば、確実に教授も巻き込むぞ??行き先を知っているはずだと拉致されるかもしれない。
アリス・ローエングリンは有能な魔術師らしいが、暗殺者を撃退できるほどなのか?」

私は言葉に窮した。魔王が溜め息をつく。

「失踪の件は、後で伝書鳩でも飛ばしておけば済む。今は、オルランドゥから逃げるのが先だ。……少し、席を外す」

「え」

「血塗れの服を着たら目立つだろう?新しい服を買う。それでモリブスに向かうぞ」

「サンタヴィラって、ここからだと北西じゃ?アングヴィラ経由で行った方が……何で逆方向へ」

魔王が苛立った様子でまた舌打ちした。

「馬鹿か?ここの東にあるのはアーデンの森だ。ただでさえ魔物が多くて俺でもお前連れじゃ危ない。
しかも安全なルートはアングヴィラの管理下だ。魔族の俺が通れると思うか?小娘」

「……私は小娘じゃない。プルミエール。プルミエール・レミュー」

「小娘もプルなんとかも一緒だろう?とにかく、東に行って最短距離は無謀だ。西からオルランドゥ大湖を反時計回りで行く」

「そんなっ!!遠回……」

そう言いかけて私はやめた。


……これはむしろ好都合かもしれない。その道程なら、テルモンも通る。つまり……


「追憶」で、10年前の事実が分かるかもしれない。


私は首を縦に振った。


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