魔王と魔法使いと失われた記憶
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435: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/19(月) 18:23:53.84 ID:tjvlTkr2O

「お、来た来た」

教授がパンと手を叩いた。目の前に運ばれたのはプリン。普通のより黄色く見える。

「『レイ芋』を練って練り込んだにゃ。これも南ガリア産にゃあ。コクがあって美味しいにゃ」

「しばらく来ないうちに、南ガリアとの交易は随分進んだのね。ジョイスさんもやるわねぇ……んっ、美味しいっ!」

私も口にしてみる。お芋の甘さが口に広がって、とても濃厚な味わいだ。
砂糖はそんなに入ってないみたいだけど、それでもしっかりとした甘さを感じる。焦がした砂糖のソースが、それを引き締めているのもいい。

「本当に美味しいですね!シェイド君、これどこで習ったの?」

「ふふん、秘密にゃ。でも後で教えてあげないこともないにゃ。1対1……」

ドンッ

机を叩いてエリックが睨むと、シェイド君から冷や汗が流れた。

「じょ、冗談にゃあ……」

「……ふん」

ジャックさんと教授が、同時に深い溜め息を漏らした。

「シェイド、貴方そういうところ直ってないのねぇ。ジャックも何やってるの」

「どうにもな……生来の気質としか言いようがないな」

「そう簡単に諦めないでよ。シェイドの性根、今度私が叩き直してあげようかしら?しばらくここにいるし」

「……!!?そうなんですか」

「ええ。……ジャックの身体、そんなに永くないみたいだし」

「え」

食卓が重い空気に包まれた。当の2人は、平然としたものだけど……


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