399: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/15(木) 19:26:25.16 ID:tce8OdH5O
エリザベートの悲痛な叫びにも、男は反応しない。前に出ているエルフの女が、クスリと笑った。
「お初にお目にかかりますわ、エリザベート第三皇女」
「ふざけないでっっ!!ビクターを、返しなさいっっ!!!」
「返せ、と言われても、ねえ。ね、シェリルお姉様」
女が外套の女にしなだれかかった。女が外套から顔を出す。長い金髪に褐色の肌。エルフだから外見年齢はあてにならないが、存外に若い。
「さすがエリック・ベナビデス。よくここが分かりましたね」
「……まあな、『シェリルもどき』」
「シェリル」の顔から表情が消えた。
「……『もどき』?」
「幻影魔法で肌の色を弄っているな。貴様も『中枢』か」
「くく。クククク……ハハハハハッッッッ!!!」
心底愉快そうに「シェリル」が嗤う。
「何がおかしい」
「面白い冗談ですね、エリック・ベナビデス。ですが、それに答えることはありません」
「シェリル」が斧を構えようとする。
「加速(アクセラレーション)5っっ!!!」
一気に間合いが詰まる。これを交わせるかっ!!!
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