387: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/13(火) 21:56:17.61 ID:ARENFlNKO
水晶玉に光景が浮かび上がった。ラスカ夫人の視点であるらしい。彼女もオーガとの混血なのだろうか、随分視点が高いことに気付いた。
修練の成果か、かなり疲れは少ない。思っていたよりは楽な気がする。
しばらくは、何事もなく過ぎた。家事を人任せにしない人らしく、使用人に混じって洗濯などをしているようだった。
異変は、水晶玉の時間で「1時間」ほど経って起きた。客人があったようだ。
『ラミレス家からの使者、ですか』
水晶玉から、声が響く。声はまだ小さくて、聞き取るのがやっとだけど……これも、あの修練の成果かかな。
『はい。……様の……ご要望で。ジョイス様に……お会い……と』
声は途切れ途切れだ。それでも、言ってることの大枠は分かった。「中枢」は、ラミレス家にいる。
『お断りします。主人は職務で多忙です故』
『ジョニィ様の……聞けないと?』
『本日の予定は、全て一杯なんです。恐縮ですが、緊急というならジョニィ・ラミレス様ご自身でいらっしゃられるのが筋では?』
使者は黙ると、おもむろに近付く。
『な、何ですか。……きゃあっっ!!?』
視界が一気に反転する。押し倒された、と分かったのはすぐだった。
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