魔王と魔法使いと失われた記憶
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373: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/11(日) 20:47:07.83 ID:Plru0K4UO
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そして俺たちはモリブスの市街地に来た。2回の「時間遡行」で疲弊しているデボラと、万一の時の守りに必要なシェイドは残している。
強行突破という手はなくはない。ただ、犠牲が出る可能性も決して低くはない。俺一人ならそれでもいいが……プルミエールとエリザベートがいる以上、あまり無茶もできなそうだ。

「……誘き出すしかないか」

「誘き出すって、ベーレン侯の奥さんを?」

「そうだ。ただ、『憑依』の条件が分からない以上、できるだけ慎重にやる必要がある」

どうにも手段が思いつかない。搦め手は苦手だ。

エリザベートが何かに気付いた。視線の先にいるのは……猫?

「あの子、使えないかな」

「え?」

「どこまで『憑依』の効力があるのかは分からない。でも、ふと思ったんだ。『何でベーレン侯は銃を使ったのか』って」

「何でって……」

プルミエールは首を傾げている。確かに、言われてみれば妙だ。

「ベーレン侯って、幻影魔法の達人なんでしょ?あんな直接攻撃しなくても、もっと上手いやり方だってあるはず。
あなたもそれっぽいことできるじゃない。『幻影の霧』、だっけ?」

「あれは幻影魔法というより、精霊魔法と精神感応の合成に近いけど……でも、確かにもっと簡単に私たちを襲えたはず」

「そう。つまり、『憑依』している間はその人の能力は使えない。恐らく、『中枢』はすごく単純な指令しか『衛星』に出せないんじゃないかな。逆に言えば、私の能力とかに気付くことはない」

「……!!そうか、だからあの猫を使って……」

エリザベートが頷いた。

「もちろん、普通にやってたらまず誘き寄せるなんてできないわ。でも……」

エリザベートが計画を話し始めた。これは一種の賭けだ。しかし、成功すれば……誰も傷付けず、彼女を生け捕ることができる。

「できるのか?」

「最初のとこさえ上手く行けば、多分。問題は使っている間、私の意識が失われるということだけど……多分、効力範囲は広がってるとは思う」

「なるほど、そういうことか。とすると、自動的に配置は決まるな」

「うん。私とプルミエールはワイルダ組に行く。あなたは、これを持ってここで待ってて」

エリザベートが黒い球を俺に手渡す。

「了解だ」


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