魔王と魔法使いと失われた記憶
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350: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/06(火) 21:05:12.13 ID:ZGv8N3vbO
「コホン」

私の後ろにいる翼人が小さく咳払いをした。気付かれたか。

「貴方のことだから、別の手段を打っているのでしょう?」

『無論。まだ、来てないようですが』

モニターの中上の青年が、小さく言った。

『シェリル・マルガリータか』

『さすが『拳神』、察しがいい』

『『分かる』だけだよ、アヴァロン大司教。むしろ、よく口説けたものだね』

『あそこにエリザベート・マルガリータとビクター・ランパードがいると伝えたら乗り気になりましてね』

フフ、とアヴァロン大司教が笑う。左下の男が舌打ちした。

『ゴチャゴチャうるせえんだよ、腐れ司教が。正面から行ってぶった斬ればいいだろうが?』

「デイヴィッド、口を慎め。不敬だぞ」

デイヴィッドが不服そうに、もう一度舌打ちをする。

『陛下、なんでこんな奴らとつるんで『六連星』なぞ作った?んなの、アングヴィラだけで……』

「しかし、『秘宝』は……遺物含めて、我らが共同で管理せねばならん。我らがこうして話しているのも、秘宝のお蔭だ。
そして、秘宝は危うい。誰も手にしてはならぬ。我ら以外は」

『だから俺を呼び戻し、サンタヴィラ跡地に向かわせた。分かってんだよ、んなのは。ただ、まだるっこしく陰険なやり方は、俺の性に合わねえんだよ。
つーか、シェリルはともかくあとの2人はどうした??』

「ナイトハルト伯は北方の蛮族の討伐だ。ゲオルグ帝が動けばいいものを。オーバーバックの居場所は……誰にも分からん」

『オーバーバック?どこかで死んでるんじゃねえか??あるいは、レナ・エストラーダみてえにいつの間にか死んだとかか?』

「死んでいたら、私が察している。口が過ぎるぞ、デイヴィッド」

翼人の言葉に、デイヴィッドが黙った。

『……すまねえ、言い過ぎた』

『とにかく、あの2人……いや、4人についてはシェリルに任せました。彼女の力は、『クドラク』以上に暗殺向きですから。
ここに出てこないことからして、既に行動を始めたようですね』

「……そのようですね」


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