魔王と魔法使いと失われた記憶
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330: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/01(木) 20:41:39.04 ID:mKWppRREO
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「にしても、何であの猫は私たちの部屋にいたんだろう」

お皿を洗いながらエリザベートに言う。彼女は布巾でお皿を拭きながら私を見た。

「部屋が分からなかったからじゃない?猫の目って、そんなに良くないから」

「そんなものかなあ」

それにしては、じっと見られていたような気がする。シェイド君なら、まあ分かるのだけど。

「考えすぎだよぉ。ていうか、何でこんなに疲れるんだろうね」

床を箒で掃きながら、デボラさんが辺りを見た。

「これ、昨日も思ったけど……この家自体のマナ濃度が高いね。魔術書から発せられるものだけかと思ってたけど、そこかしこにマナの発生源がある。前はこうじゃなかったけどねえ」

「なるほど、家事自体が修行の一環なわけですか」

そう、朝食を食べ終わると「シェイドだけでは片付かん」ということで私たちも家事の手伝いをさせられていた。エリックとランパードさんは薪割りをしているはずだ。
人遣いが荒いなあと思ったけど、やはりそれなりに意味があることみたいだ。

「寝室はマナが濃くなかったから、まだ良かったですけど」

「そう言えばそうだねえ。さすがにそこまで先生も鬼じゃな……」

「甘いな」



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