魔王と魔法使いと失われた記憶
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308: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/24(木) 21:35:39.00 ID:HSZ2OTe3O
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「どうぞ召し上がれにゃ!!」

テーブルにはバターと鶏の「バー・レー」、そして鶏と長魚のスパイス炒めがある。俺が好きな辛口の「カシ・レー」ではないが、仕方ない。シェイドは辛いのが苦手だ。

「あっ、美味しい!!食べやすくて」

「本当ですねぇ!モリブス料理ってクセがある印象だったけど、これなら大丈夫かも」

「喜んでもらえて光栄ですにゃ。ささ、取り分けますにゃ」

シェイドはプルミエールの皿にばかり料理をよそっている。……気分が悪い。
それはどうもエリザベートも同じようだった。理由は違うが。

「えっと、私にはないんですかねぇ?」

「おっぱいない子はダメにゃ、出直して来いにゃ」

「な、なんですってぇ!!?」

パシッとジャックがシェイドをはたき、ランパードがエリザベートを押さえる。

「馬鹿者がっ。こいつらは客人だ、手を出すことはまかりならん」

「えー」

「第一、礼をちゃんと学べと言っているだろう?何年俺の召し使いをやっている?」

「だって……これは耐えられませんにゃ」

ジャックが深い溜め息をついた。

「すまんな。どうも理性は獣のままのようだ。遠慮なく突き放して構わん」

「は、はぁ」

エリザベートはまだ額に青筋を立てている。まあ、当然だが。

「何ですかこの侮辱。私は貴方より大分歳上ですよ?ランパードも何か言ってやって下さいよ」

「ま、まあまあ。貧乳は希少価値と……いでっ」

ランパードが激しく痛がった。脛でも蹴られたか。

「おふざけはこの程度にして、だ。モリブスの様子は」

「やはり緊迫してましたにゃ。ラミレス家主導で厳戒態勢が敷かれてますにゃ。
彼らがエリックたちに気付くのは、あのままだと時間の問題だったはずですにゃ。ここに逃げたのは大正解にゃ」

「他に気付いたことは」

「ユングヴィが荒れてますにゃ。後任を誰にするかで」

「当然だな」

ジャックがナプキンで口を拭く。

「明日早くに、多分ベーレンが来る。修行はその後……」


一瞬のうちに、ジャックの表情が変わった。





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