161: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/30(日) 20:44:46.40 ID:GOi8ToA6O
ランパードさんの表情がさらに鋭くなっている。
「その家宝、何か特別な由来が」
「私も詳しくは知らん。ただ、特別なまじないが込められていると聞いたことはある」
「よもや、『遺物』とか」
「まさか。……もう片方の形見は、明らかに尋常のものではないが」
「……そうなのですか?」
身を乗り出すランパードさんに、エストラーダ候が苦笑いする。
「すまん、施術とは関係がない話だな」
「それもお嬢様が?」
「ああ、女物なのでな。一度でいい、あれを着たファリスが見たいものだが……この話は、これでいいだろう」
女物……ドレスか何かかな。エストラーダ候は話を打ち切りたがっている。
ファリスさんがクドラクである可能性は考えてなさそうだけど、何か隠してる気がする。
「失敬。施術の日程を決めたいのですが……少し、助手と相談させてくれませんか」
「ここではダメなのか」
「ユングヴィからも応援が必要ですから。一度、退かせて頂きます。午後にまた、伺わせて頂きたく」
「そうか。では、暫し待とう」
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