魔王と魔法使いと失われた記憶
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149: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/27(木) 12:36:12.48 ID:IcevcAFHO
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「何だお前らは」

衛士が怪訝そうに私たちを見る。ランパードさんが鞄から何かの巻物を取り出し、広げてみせた。

「トリス森王国の一級医術士、ビクター・ランパードだ。ファリス嬢の件で、ロペス・エストラーダ候と話したい」

「……何だって?」

「悪いが、こいつは本物だ。マリア・マルガリータ女王の印も入っている。
ファリス嬢が長く床に臥せってると聞いてな。確か、治したら賞金が出るんだろ?」

衛士が顔を見合わせた。

「……本当に、トリスの医術士か」

「ああ。世界でも数人しかいない一級医術士だぜ。助けになると思うが」

「閣下に話をしてくる。そこで待て」

衛士の一人が邸宅へと入っていく。私はランパードさんに耳打ちした。

(あれって、本当に本物なんですか)

(間違いなく本物だぜ)

(トリスの医術士って、簡単になれるものじゃないですよね)

ハハハ、とランパードさんが笑う。

(一応これでもお前さんの3倍近く生きてるからな。ま、本当に治療をするかは見て決めるが)

(治療?魔法を使うんじゃ)

(治癒魔法も使うが、トリスの医術は「切って治す」。身体の中にある病巣は、生命力を高める治癒魔法だけじゃ消えないからな)

そんな方法があるとは知らなかった。エルフの技術はほとんど知られてないけど、やはり独特なものなんだな。


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