56:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:49:31.83 ID:qe4+sBJv0
今日の不思議な現象を理解できずに考え込むヨハネの遥か頭上、徐々に高度を下げ始めた太陽を掠めるように何かが飛んだ。
それはゆっくりとヨハネの前に降り立つ。
「ごきげんよう、ヨハネ。」
目の前にいたのは、マリーだった。
「連絡も寄こさずに、いきなり訪ねてくるなんて珍しいわね。」
突然の来訪者に驚くヨハネにマリーはつかつか歩み寄る。
「そうね。それより──」
「日々、人間の女の子と戯れる気分はどう?」
「え……」
思わぬ発言にヨハネは目を見開く。
「今、なんて……」
明らかに動揺の色を隠せないヨハネと同様に、マリーの目の奥の方も何かが揺らめいているかのようだ。
「言った通りよ、ヨハネ。たまに遊びに来た時に、やけにこのあたりで人間の匂いがすると思ってたの。」
淡々とマリーは続ける。
「それで今日の昼間、こっそりと上空から覗いていたのよ。すると、あなたが女の子と一緒にいる姿を見かけたってわけ。まったく、あなたがあんな質問したときに勘付いておくべきだったわ。」
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