17:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:16:52.19 ID:qe4+sBJv0
「五月蠅い……」
苛々とヨハネは顔の前を飛翔する羽虫を黒い翼で振り払う。
「ああ、もう……」
心底うんざりだと顔をしかめる。舌打ちの1つでもしてやりたい気分だ。
最近のヨハネを悩みの種が、このがやがや声だ。
「もーいーかーい!」
「まーだだよー!」
また聞こえてきた。
この山はそんなに大きな山でもないが、子供の遊び場としては大きすぎるくらいだ。
それなのに……
「なんでよりにもよって人の寝床の傍で遊ぶのよー!」
誰にも聞こえない叫び声をあげる。
叫んだところで、声が止むわけなし。わざとらしくため息を一つついて、今日もよろよろと喧騒とは無縁の昼寝場所を探そうとした、その時。
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