男「大将! 油マシマシのアチアチラーメン一丁」
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11:名無しNIPPER[saga]
2020/07/05(日) 09:05:02.52 ID:sGoLw9kr0
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記憶を取り戻した店主は、ひどく戸惑っていた。ラーメンを残されただけで、自身がこれほどまでに正気を失ってしまうとは思いもしなかったのだ。店主は、人知れず自らの未成熟さを恥じ、落ち着いて思考をまわしはじめる。冷静に考えれば、あの日のラーメンに何ら非はなく、全てがナナフシに起因していることは明らかだ。ナナフシと大タヌキの間に、何が起こったのかはわからない。店主が知るのは、あくまで店内での出来事のみなのだ。ならば、どうするか。答えは一つしかあるまい。あの日以降も、この店に通い続けているナナフシに問いただせばよいのだ。
突然、店のガラス戸が強く叩かれた。店主は、慌てて壁に掛けられた時計に目をやる。時刻は、朝九時をわずかに過ぎたばかり。営業開始には、程遠い時刻だ。扉の向こうには、妙な青い色をした服を着た人の影が見える。店内側にしまってある暖簾のせいで、その表情は伺えない。人影は、「開けてくれ」と荒い声をあげながら扉を叩き続けている。かすれてくぐもってはいるが、明らかに男の声だった。店主は、用心に越したことはないと麺棒を片手に扉へと近づき暖簾の隙間から外を覗いた。
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