58: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2020/07/05(日) 04:51:44.13 ID:4Jd3JNMn0
いろは「ねむちゃん。確かに、車椅子生活の大変さは私たちには分からないかもしれない。でもね、ねむちゃんの世界が狭いままだなんて言い方は、みんなに対して失礼じゃないかな?」
ねむ「どういう意味・・・?」
いろは「おとといは やちよさん、昨日はひなのさん、今日は十七夜さん。この三日間で神浜の色々な場所を見て周れたよね? それは やちよさん たちが ねむちゃん の事を考えて、車椅子の人でも行ける施設や時間帯を事前にしっかり調べて手配しくれたからだよね」
いろは「そうしてねむちゃんはどうだった? 今まで知らなかった事をたくさん知る事ができて楽しかったんじゃない? ねむちゃん、何度か笑っていたもの」
ねむ「それは・・・うん・・・」
いろは「確かに車椅子生活はねむちゃんにとって辛いことかもしれない。だけどね、それで自分だけが取り残されたと思って、夢を諦めて希望を無くしちゃうねむちゃんがいることの方が、私には辛い」
いろは「大事なのは、夢を叶えられない理由を探すことじゃなくて、夢を叶えられる理由を探すことじゃないかな? この三日間だけでも、やちよさんたちに支えられて、ねむちゃんの世界は広がったんだよ。そうやって、少しずつでも克服すればいい」
ねむ「そんなこと言ったって・・・僕はどうすれば・・・」
いろは「病室でいつか聞かせてくれた、ねむちゃんがやりたいこと、ねむちゃんが叶えたい夢を、もう一度私に聞かせて。そうしてその気持ちを強く持って。そうすればきっと道が拓けるから」
いろは「だから、聞かせて、ねむちゃんの夢を」
ねむ「・・・・・僕は」
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