七海やちよ「神浜を観光するわよ」
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56: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2020/07/05(日) 04:46:50.79 ID:4Jd3JNMn0

十七夜「さて、偉そうなことを延々述べてしまったが、せっかくここまで来たんだ。この広い場所を使ってみんなで思いっきり羽を伸ばして遊んでみたらどうだ」

桜子「 |うん。私の桜と草原じゃないのはイヤだけど・・・。いろはたちが楽しいなら我慢する。みんなで仲良く遊んで| 」

いろは「そうだね、何かして遊ぼっか」

うい「う、うん・・・。でもわたしたちずっと病院に居たから、こういう時どういう遊びをすればいいかよく分からないかも・・・」

いろは「そ、そう言われると、私も外で友達と遊んだ経験、あんまりないかも・・・」

灯花「んー・・・。かくれんぼとか?」

ねむ「こんなだだっ広い草原のどこに隠れる場所があるんだい? 穴でも掘る気かな? 少しは考えて発言をしてほしいね、自称天才さん」

灯花「ちゃんと考えて発言してるよ、バカねむっ」

ねむ「なに・・・? 僕のどこがバカだっていうのか説明を求めるよっ」

灯花「じゃーねむはどんな遊びをすればいいと思ってるのかにゃー?」

ねむ「えっ、うっ・・・う〜ん・・・・。鬼ごっことか、ドロイケとかかな・・・?」

うい「遊び道具とか持ってきてないし、他に思いつかないね」

桜子「 |それじゃダメなの? 走り回って遊ぶのは私のウワサの内容通りだよ| 」

ねむ「いいんじゃないかな。僕は見ているだけで楽しいから、みんなで走り回って遊んでほしい」

灯花「・・・・・・っ〜!」


灯花「・・・ああもうっ! いやだーっ!! 我慢できないーっ!!!」

ねむ「灯花・・・?」

灯花「昨日から本当に何なのっ、この大バカねむっ!!!」

ねむ「何を急に憤慨しているのかな? 理解に苦しむよ」

灯花「わたくしたち本当だったらもう病気で死んでいるんだよっ?! 何度試行を繰り返しても再現できない確率の奇跡を掴んでこうやってみんな揃って外に出られるようになったんだよっ?!」

灯花「入院しているときは、みんなで外を歩き回ることをあんなに夢見ていたのにっ!」

灯花「でもいざそれが実現すると、ねむは何かある度に一歩引いてる! なんでっ?!」

灯花「それがもう本当にムカツク! ハラタツ!! 頭にくるーっ!!!」

ねむ「・・・・・・」

ねむ「しょうがないでしょ、僕は見ての通り―――」

灯花「車椅子だからってそんなくだらない事言い訳にならないからっ!! 病院か家にしか居られなかった頃と比べたらはるかに自由でしょー!!」

ねむ「っ! 灯花っ!! なにがくだらないって・・・?!」



いろは「・・・・・・・」

うい「だ、ダメッ、二人ともケンカは―――」

いろは「待って、うい」

うい「えっ・・・? で、でも・・・」

いろは「いいから。待って」

うい「ううっ・・・」



ねむ「入院しているときに比べたら遥かに自由だなんて・・・そんなの分かってる! だけど車椅子じゃどうしたって僕はみんなの足を引っ張っちゃう・・・。僕は僕のせいで、せっかくのみんなの自由を制限したくない・・・!」

灯花「にゃーもーっ! わたくしの話聞いてたっ?! みんなで一緒であることに意味があるのっ! 足を引っ張っちゃうなら引っ張ればいいでしょ! わたくしだって、お姉さまも、ういも、そんなことで自由を制限されたなんて思わないから!」

ねむ「足を引っ張っていることは自由を制限してることじゃないかっ!? 灯花の言っていることは矛盾しているよっ!」




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