【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 8巡目
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314: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2020/07/11(土) 23:35:17.20 ID:S/7hr8cD0
ワイズ「ほ、本当だよぉ……!」

本来ならカップルがこれでもかといちゃつく観覧車が、別の何かに変貌してしまったかのように思える。

この空間は何だ、この空気は何だ、この……この状況は何だ!

もしかして僕は、このまま……ふ、フラれるのか?

僕の本気の言葉は、薄っぺらいの一言で片づけられて。貶されて、馬鹿にされて……遊園地デート最後の最後にビンタされて終わり。

ワイズ「ぼ、僕は本気で……ほ、本気でユウナのことが一番大好きで……! 僕にとっての一番のアイドルはユウナ、でぇ……!」

目がフルフルと震える。

目尻に涙が溜まっていく。

嫌だ、嫌だ、嫌だ……いやだいやだいやだ!

何でもする、何でもするから……僕が考えているその言葉だけは言わないでくれ!

ユウナ「だったら!」

ワイズ「…………っ!」

ベンチから勢いよく立ち上がり、前のほうからユウナはその身体を近づけてくる。

いつもならヘタレて逃げようとしてしまうかもしれないが、観覧車の中でそんなことは出来ない。

彼女の顔が近づいてくる、彼女の吐息に僕の吐息が混ざりあい、感じる彼女の匂いが甘く柔らかい。

……情けなく目尻に涙を浮かべている僕の瞳を、ジーっと彼女は見つめている。

ユウナ「だったら、だったらさぁ……!」


――――ぼくが、一番なのを証明してよぉ……。


そして、彼女は、とっても小さな声で、そう言って。

ワイズ「んんぅ…………っ!?」

僕の顎に手を添えて、僕の唇を奪った。


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