黒埼ちとせ「進化論」
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7:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 16:59:25.44 ID:W5lmC8VA0
「そうか……」

 返事をしながらも、まだこの人は納得がいっていないみたい。

「俺は、ちとせはまだまだ、こんな所で終わる器じゃないと思っている。
 お前の魅力が発揮できる場を満足に与えられないのは、俺の責任だ」


「魔法使いさん、私のレッスン、見に来たことあったでしょう?」

 私は肩をすくめ、彼に同意を求める。

「私は元々、普通の子達ができる事が、満足にできないものなの。
 どうにもならない事に、謝る必要なんてないよ。謝るとしたら、それは私の方」


 小さい頃から、身体が丈夫ではなかった。
 できない事が多くて、諦めて受け入れて、成長するにつれてできない事がまた増える。

 私にとっては普通の事。
 なのに、この人はそれを、我慢のならない事だと捉えている。

「トップアイドルって、きっと何でもできないといけないんだよね」

「レッスン、辛いか?」
「うん」
「結構ハッキリ言うな」



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