23:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:59:24.75 ID:pCrOcsWZO
「まあ、そう怒るな。見世物としてはなかなかだっただろう? お前だって文句を言いつつも結局最後まで観ていたわけだしな」
「オレは気にしてないからいいけど幹也は違う。見ろ、トウコ。幹也のあの怯えぶりを」
促されて、地下工房の隅を見やる。 すると。
「式はおしっこなんてしない。式はおしっこなんてしない。式はおしっこなんてしない」
そこには黒桐がしゃがみ込んでいて、まるで現実から逃避するように壁に向かって自己暗示の言葉を呟いていた。メンタルが弱いな。
「式、お前の出番だぞ」
「オレに何をしろって?」
「何でもいいから、黒桐を慰めてやれ」
そう指示すると、式は嫌そうに顔を歪めて。
「なんでオレが。トウコが何とかしろよ」
「残念ながら無理だな。あそこまでダメージを受けた黒桐を癒せるのは式、お前だけだ」
そんな私の診断を受けて、式は溜息を吐き。
「わかったよ。やるだけやってみる」
心底ダルそうに黒桐に近づき、肩を叩いて。
「黒桐、こっちを見ろ」
「……?」
「悪く思うなよ……んむっ」
「!?」
問答無用で彼の唇に式は自分の唇を重ねた。
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