【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 7巡目
↓ 1- 覧 板 20
27: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2020/06/02(火) 03:11:03.95 ID:cdSYijSj0
「しゅき……これ、しゅきぃ……」
「…………ふーん。じゃあ、ぼくの耳かき以外でも良いんだ。誰にでも、こんな風にトロトロになっちゃうんだ……」
「ふぇ……?」
違う、違う。そういう意味ではない、僕は、僕は――。
「僕は、ユウナの耳かきが良い……この耳かきが良いんだぁ……ぅ。ユウナの声がしゅきなのぉ……」
「…………っ! だ、だよねー。そうだよねー……んもう、可愛いなぁワイズは」
一瞬でユウナがこの問いかけをした理由をぽやぽやと理解して、可愛いのはユウナだよぉ。と突っ込みたくなるが、堪える。というか堪えさせられている。
絶対僕にユウナの耳かきが良いって、声が良いって言わせたかっただけだよ。
「……えへへ、じゃあ。この奥にある一番でっかい奴取るから、絶対に動いちゃだめだよ?」
「うん、うん……頑張る」
頑張る、と。僕が言うと、偉いぞーって彼女が僕の頭を優しく撫でる。どれだけ彼女は僕を癒すのかと思うと、少しだけ怖くなる。
……あぅ。
――――かき、かき……ごそごそごそっ! ばり、ばり、ぱりっ……。
「――かきかきかきかき、くりくりっ……かきかきかきかき」
「あ、あ、あ、あぁあああああ…………っ」
彼女の囁くオノマトペが早くなるのと同時に、耳かき棒の動き方も少しだけ早くなる。そして、ごそごそと耳垢が取れていく音が大きくなる。
静かに囁かれる彼女の声が堪らない、耳かき棒が優しく優しくかりかりと耳の奥を引っ掻く刺激が溜まらない、触れる吐息が、感じる体温が、鼻孔を刺激させる匂いが。ユウナから貰っている何もかもが重なり合って混ざり合って、快楽という名前の液体を製作して僕の脳みそを浸していく。
ああ、至福のひと時とはこういう状況を言うのだと理解されられ――いや。
「ぅあ…………しゅきぃ…………」
もう、何も考えられない…………。
1002Res/304.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20