【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 7巡目
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25: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2020/06/02(火) 03:09:25.67 ID:cdSYijSj0
「…………?」

…………ぇ?

「いや、最初に耳かき棒動かしたらすっごく気持ちよさそうな声出してたから、その。ちょっと悪戯に言ってみたら……ねぇ?」

「ぁ、ま、待って。今のなし、今のなしぃ……!」

意味分かんない、意味分かんない、意味分かんない!

いや、だって! 今かりかりって、ユウナの声が聞こえてきて、それで耳かき棒が――。

「かきかきかき」

「んにゃぁあああ…………」

声が、漏れ出す。

「……ぅ」

「へー? ワイズって、こうやって擬音を言われるのが好きなんだ。耳を掻いてもないのに、声で言われるだけで、同じくらい声漏らしちゃって。何か、良いことしちゃった」

「……っ!」

ポカポカとしていた耳が、ボンッっと熱くなる。恥ずかしさが一気に耳を含む顔全体を支配し、熱暴走を起こしそうだ。

「……へーんたい」

「んにゃっ!? ち、ちがっ……!」

流石に、これは否定しないといけない――。

「まっ、ぼくはそんなワイズも好きだけどねー」

「……あ、ぅ」

……一瞬で丸め込まれてしまった。それを言われたら、もう……。

と、僕が恥ずかしさにどもってしまっていると。彼女はまた何か悪戯を思いついたようにくすくすと笑い始めた。

「ふふふ、じゃーあー……」

その瞬間、彼女はぐいっと上体を屈め。その口を僕の耳まで近づけて――。

「――――こうすれば、もっとぼくの声が聞こえるでしょ?」


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