黛冬優子「ふゆのプロデューサー」
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17: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/05/25(月) 20:25:30.56 ID:GoWeZr8Q0
12 諦めたくないものはたったひとつ

今日は冬優子との打ち合わせですが……連絡は相変わらずありません。

無理にやらせてもよいことはありません。アイドルとは別の道に進むのであれば、そのためのアドバイスも考えましょう。どんな道でも、不幸にはなっては欲しくない。

冬優子「……おはよう、ございます」

P「冬優子、おはようございます。来てくれたのですね」

冬優子「仕事なんだから……当たり前でしょ」

冬優子「ま、本当はアイドルなんて辞めて、あんたからも逃げようと思ってたけどさ」

P「心変わりしたのですね、理由を聞かせてください」

冬優子「……ほんっとにデリカシーないわね、あんた。まあいいわ、特別に教えてあげる」

冬優子「……アイドルなんて、ちやほやされるためのもの……だから、それができないならもう興味ないって思った」

冬優子「でも、辞めようって考えてから、なんていうのかな……」

冬優子「胸のあたりに、ぽっかり穴が空いた気分になったの」

冬優子「それで……ずっと家で、今までやった仕事のこと、思い出してた」

冬優子「どんな小さな仕事も……全部、すごく楽しかったなって」

P「……」

冬優子「ふゆは、さ、まぁ、今まで他人からどう見えるかをずーっと意識してたわけ」

冬優子「どうやったらもっと可愛いって思ってくれるか、もっとふゆをすごいって思ってもらえるかって」

冬優子「でも、アイドルを始めてから……他人から評価されることより、仕事をするのが楽しかった」

冬優子「少しづつ仕事が大きくなっていって……ちょっとずつ成長できてるって、実感みたいのもあって」

冬優子「もしかしたら……ふゆもキラキラできるかもしれないって、期待しちゃった」

冬優子「でも、本当のふゆは……っ」

P「冬優子、無理に話すことはありません。本心を吐露することは、辛いことです」

冬優子「……うっさい。お願いだから……今は黙って聞いて」

冬優子「ふゆはね、ほんとはいい子じゃないし……」

冬優子「そんなの、隠そうとしても隠しきれるもんじゃない」

冬優子「結局あんたにもバレちゃった訳だし。じゃあいつもみたいに逃げようって」

冬優子「でも、あんたに言われた言葉を思い出して……逃げるのはやめた」

冬優子「そんで……考えた」

冬優子「ふゆはどんなアイドルになりたいのかって」

P「答えを聞いていませんでしたね、待っていました」

冬優子「あの時ちゃんと答えられなかったけど、ふゆが本当になりたかったのはね……」

冬優子「『これがふゆ』って、胸をはれるアイドル」

冬優子「だから……」

冬優子「あの……さ、プロデューサー」

P「言ってください」

冬優子「私……」

冬優子「もう一回……アイドル、やりたい……!」



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