5: ◆ncieeeEKk6[sage saga]
2020/05/19(火) 17:46:27.02 ID:U1swVBcn0
「じゃあ、淹れてみましょう!」
さっきのサイトを見ながら作業を始める。淹れるのは2人分だ。
使う水は200ミリリットル。電気ケトルに入れてスイッチを押す。水道水でもいいけど硬水は駄目らしい。
「硬水って、どのくらい硬いんでしょう? 落としたら割れますか?」
「割れないと思うぞ。液体だからな」
「でもでも、モーゼさんは海を割ってましたよ?」
「…………じゃあ、海は柔らかいんだろうな」
お湯が沸いたらいったん湯呑みに移し、湯気の立ち方が変わるまで待つ。
「あっ、変わりました!」
「え、変わったか?」
「ほら、さっきまでは“ぼわわわ〜ん”だったのに、今は“もわんもわ〜ん”です」
「うーん……? まあ、待ちすぎて90℃より低くなっても困るし、いいか」
急須には、ティースプーン2杯分の茶葉を入れておく。温度を調整したお湯を湯呑みから移したら、成分が溶け出すのを待つ。だいたい30秒だ。
「よし、あとはお茶を湯呑みに注ぐだけだな」
なんと注ぎ方にもちゃんとしたやり方がある。湯呑みが2つあるなら、まず片方の湯呑みに少し注ぎ、次は別の方に同じだけ注ぐ。これを何度も繰り返し、最後の1滴まで出し切らなければならない。麗花の提案で、2人で交代しながら注ぐことになった。
「プロデューサーさん、お願いします」
「よし……こんなものかな? はい、麗花」
「任せてください!」
「……これ、2人でやる意味あるのか?」
「私は、プロデューサーさんと一緒がいいですよ? ……あっ、最後の1滴が出ました!」
「よし、完成だ」
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