4: ◆ncieeeEKk6[sage saga]
2020/05/19(火) 17:45:56.10 ID:U1swVBcn0
結局、お茶の淹れ方はネットで調べることにした。お湯の温度のこともきちんと書いてある。
「湯気の立ち方で温度がわかるんですね〜」
画面を覗き込む麗花が興味深そうに呟く。首に息と髪の毛が当たってくすぐったい。
「れ、麗花。少し離れてくれ」
「でもでも、こうしないと画面が見えませんよ?」
「いや、自分のスマホで見ればいいじゃないか」
「むぅ……はーい」
渋々といった様子だったが、麗花は少し距離を取ってくれた。彼女の体温が離れていくのと同時に顔の熱も収まっていく。離れてくれてよかった。別に、近付かれるのが嫌というわけでもないけれど。
さて、今はそれよりお茶の淹れ方だ。サイトには、最適な温度はお茶の種類によって変わると書いてある。麗花が言った「だいたい90℃」は、お求めやすい普通の煎茶の場合だ。劇場に常備してある茶葉はなんだったか。ちょっと思い出せない。
というわけで麗花と一緒に給湯室に向かった。カップ麺を作るときしか来ないので、どこに何があるかは全くわからない。麗花も普段入ることはないそうなので、茶葉を見つけるのに思いのほか時間がかかった。
「2つありますね」
「たぶん、こっちは来客用かな。雪歩が持ってきてくれた高いやつ」
もう1つは買い置きしてある安い茶葉だ。成分表には煎茶だと書いてある。
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