阿良々木暦「僕がひたぎさんを嫌う未来なんてない」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/16(土) 23:34:26.84 ID:Gzf81c1XO
「私は運命なんか信じない」
戦場ヶ原ひたぎは悪徳宗教に苦しめられた。
故に、運命など信じていない。迂闊だった。
僕としたことがつい地雷を踏んでしまった。
「軽々しく運命なんて言って、悪かったよ」
「謝る必要はないわ。気の持ちようだもの」
気を取り直すように、ひたぎさんが微笑む。
「私は自由意志を信じたい」
「自由意志?」
「ええ。具体的には脱糞する自由のことよ」
まったく。年頃の女子の台詞とは思えない。
「でも、不可抗力ってこともあるだろう?」
「ないわ。この世に偶然なんて存在しない」
「神はサイコロを振らないってか? 数学好きの僕としては推したい説ではあるが、それはとっくに量子論によって否定された筈だぜ」
「箱の中で猫が脱糞しているかどうかなんて、匂いを嗅げば箱を開けるまでもなく明白じゃない。ラプラスの脱糞魔とも言うわ」
「そんな汚い思考実験をするのはひたぎさんくらいだと思うけど、説得力だけはあるな」
ラプラスの脱糞魔。もといラプラスの悪魔。
あらゆる素粒子の状態を把握すれば一瞬先の未来を見通すことが出来るならば、やはり神はサイコロを振らないのかも知れない。
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