ターニャ・フォン・デグレチャフ「自動、手記人形……だと?」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/09(土) 23:48:34.10 ID:PWWmuiJvO
「出来ました」
「もう時間がない。君はそれを参謀本部へ届けてくれ。私は戦場に戻らなくてはならん」

手紙の内容を確かめる時間はない。命じた。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン! 既に軍属ではないとはいえ、私は君の軍人としての作戦遂行能力が高いと判断する! 迅速にその手紙を参謀本部へ届け、我々を救え!!」
「それは……命令ですか?」

一瞬、ヴァイオレットの瞳が揺れる。
同じ階級の少佐からの下命。
しかし、少佐は彼女の少佐ではない。

「だとしたらどうする?」
「いえ。たとえ命令でなくとも、私は必ず、お嬢様のご意志をお届けいたします」
「はっ。お嬢様……か」

鼻で笑うついでに意地悪な質問をしてみた。

「時に自動手記人形とやら」
「はい、なんでしょう?」
「冥土の土産に教えて欲しい。先程、君が飲んだ紅茶はいったいどうなるのかね?」
「体外に排出され、大地に還ります」
「フハッ!」

大地に還る。自分もいずれはそうなるのだ。

「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「あの……少佐、どうしました?」
「いや、なんでもない。また会おう! ヴァイオレット・エヴァーガーデン! さらばだ!」

願わくば。生きてまた彼女と会ってみたい。


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